早速ですが、オオタニワタリという植物をご存知ですか?
オオタニワタリは、沖縄独特の食用シダ植物。
日本本州ではほぼ食べられていないばかりか、絶滅危惧種(IB類)に指定されています。
沖縄で古くから食べられている島野菜が、本州では絶滅危惧種だったとは!驚きです。
現在も沖縄の食卓に広く普及しているオオタニワタリ。
今回はそんなオオタニワタリの特徴とオリジナルレシピをご紹介します!
オオタニワタリを食べる機会があったら、ぜひ試してみてくださいね。
沖縄の島野菜、オオタニワタリとは?
沖縄を訪れたとき、写真のような葉っぱを見かけたことはありませんか?
このシダ植物が、オオタニワタリ。
沖縄では食用として集落や民家の庭で育てていることも多いのですが、もともとは山林やジャングルに自生している植物です。
オオタニワタリの基本情報
オオタニワタリは、亜熱帯海洋性気候で育つシダ植物の一種。
日本の伊豆半島以南に自生していますが、山林の減少や観葉植物用の採集などのために、本州では数が減少し続けています。
名称 | オオタニワタリ |
分類 | チャセンシダ科 アスプレニウム属 |
分布 | 伊豆半島以南、四国、南九州、沖縄、台湾 |
栄養素 | カリウム、ビタミンC、βカロテン、ビタミンB群 |
オオタニワタリという名称は、谷をわたるように広く分布していくことから名づけられました。
分かりやすい名前ですね~♬
葉のサイズが大きいもので1m超え(!!)する場合もある、大型常緑性シダ植物です。
オオタニワタリが生えている場所
オオタニワタリは、足場の悪いジャングルなどの高い木の上や、滑りやすい岩肌などに着生します。
食用なのは広がっている葉っぱではなく、放射状に広がるオオタニワタリの真ん中に生えてくる新芽のみ。
そのため、茂った葉の奥に手を伸ばして収穫する必要があるので、木の上や岩など足元が安定しない場所で収穫するのはかなり困難です。
弾力があって簡単にちぎれないので、ハサミがないと収穫できないですしね...。
ではどうするか?
沖縄ではよくオオタニワタリを集落や民家の庭で栽培しています。
観賞用ではなくて、食べるため。
一年を通して収穫できるありがたい島野菜です。
誰の敷地か分からない場所に生えているオオタニワタリは、早い者勝ちで新芽が切られていきますよ!笑
オオタニワタリの味わいと下ごしらえ方法
オオタニワタリで食べられるのは、真ん中のやわらかい新芽部分。
ゼンマイに似た渦を巻いたような形の新芽は、やわらかくも歯ごたえ抜群です。
ただ、アクが強いため下ごしらえが必要で、生食には向いていません。
- オオタニワタリの新芽をよく水洗いする
- 鍋に湯を沸かす
- ②に塩と①を入れて、7~8分茹でる
- 芯まで柔らかくなったら冷水にさらす
しっかりアク抜きすることで、クセや苦味を取り除くことができます。
茹でると鮮やかな緑色になって、色合いもキレイですよ!
火を通したオオタニワタリは、ぬめりが少しあってしっとりしつつも、コリコリ食感。
1度食べると好きになる人が多い、私たちも大好きな絶品山菜です。
沖縄の島野菜、オオタニワタリのレシピ
下ごしらえをしたオオタニワタリをおいしく食べる!
沖縄定番レシピと、私たちのオリジナルレシピをご紹介します。
オオタニワタリの沖縄定番の食べ方
古くから沖縄で食べられてきたオオタニワタリ。
定番の調理法はこちらです。
- 天ぷら
- おひたし
- 炒め物
オオタニワタリは、油との相性がいいんです!
沖縄では家庭料理として普段の食卓に並んでいますが、居酒屋メニューにもなっています。
おいしそうですね~!沖縄のお店でぜひ探して食べてみてくださいね!
オオタニワタリのニンニクオイル炒め
オオタニワタリをどう使おうか考えた結果、食感を活かした炒め料理にすることにしました。
私たちの家で、初めてオオタニワタリを食べたときのレシピです。
オオタニワタリの味わいが主役となるように、シンプルに塩のみの味付けにしました。
- オオタニワタリの新芽
- ベーコン
- キャベツ?
- ニンニク
- オリーブオイル
- 唐辛子
- 泡盛(料理酒として)
- 塩
- フライパンにニンニクとオリーブオイルを入れて火にかける
- ニンニクがきつね色になったら残りの食材を加える
- 塩で味付けし、唐辛子と泡盛で風味付けする
ニンニクオイルの風味が、オオタニワタリのシャキトロ食感を引き立てていてとてもおいしかったです。
調理前のアク抜きだけお忘れなく~!
意外!?パスタもおいしい!
天ぷらやおひたしで食べることの多いオオタニワタリですが、当ブログてい家のあきひこがオーナーシェフを務める「リストランテ・テラ・イリオモテ」では、実はディナーのパスタとして人気の食材となっています!
"これが食べたかった"と言っていただけることが多い一皿です。
私もオオタニワタリのパスタ、大好きです!
オオタニワタリのコリッとした食感とポルチーニ茸のとろ~んとした食感が絶妙にマッチして、コク深い旨みが味わえる絶品パスタ。
手に入る機会が限られている食材なので、必ずしもお出しできるか分かりませんが気になる方はぜひ、ディナー予約時にリクエストしてくださいね。
▼当ブログあきひこのお店を詳しくチェック▼
オオタニワタリ以外も!沖縄島野菜の料理本
今回オオタニワタリをご紹介しましたが、沖縄には他にも島野菜とよばれる沖縄だけで食べられている野菜がたくさんあります。
そんな沖縄の島野菜について、かわいい料理本を2冊見つけました。
八重山おばぁのぬちぐすい
「ぬちぐすい」とは、沖縄の言葉で「いのちのくすり」。
おばぁとのお話には、やさしい心の持ち方、家族のぬくもり、お料理のちから……たくさんの生きるヒントがありました。
沖縄の美しい風景と、丹精を込めて料理の準備をするおばぁの写真が印象的。
レシピ本というよりも、おばぁの物語を読んでいくような本です。
おうちでうちなーごはん!
沖縄の太陽をいっぱいにあびてそだった島野菜や海の幸は、からだにやさしい「くすいむん」。自然の恵みに感謝して、つくられてきた毎日のごはんこそ、知恵のつまった「ぬちぐすい」。
季節ごとの身近な食材を使った、「沖縄の家庭料理」うちなーごはんを、もう一度、見直してみませんか。
基本のお料理と、季節ごとの旬な島食材料理がたくさん掲載されています。
何といっても、手書きのカラフルでかわいいイラストが満載!
イラストがかわいすぎて、眺めているだけでも楽しい本です。
良かったら読んでみてくださいね。
\沖縄にはこんな島野菜もあります。/