こんにちは、夫婦で西表島に移住したよせーです。
突然ですが、貝は好きですか?
日本最大のマングローブを誇る西表島は、干潟の面積も広く、非常に多くの種類の生き物が生息しています。
貝類もそのひとつ。
でも西表島で採れる貝を使った料理は、お店のメニューに上がることが少ないので、食べたことがない方も多いかもしれません。
そこで今回は、本州で一般的な「アサリ」が西表島にもあるのか大調査!
西表島の「アサリ」についてご紹介します。
西表島の貝、アサリはアサリじゃないけどアサリなの?
まずは本州で一般的なアサリについて、簡単に復習です。
本州で一般的なアサリ
アサリといえば、焦げ茶色~黒色のまだら模様が入ったこんな二枚貝を思い浮かべますよね。
名称 | アサリ(浅蜊) |
分類 | 二枚貝綱 … アサリ属 |
分布 | 北海道~九州、朝鮮半島、台湾、フィリピンなど |
生息地 | 砂泥底 |
サイズ | 3~4cm(大きいものは6cmほど) |
旬 | 3~5月、9~10月 |
貝の殻は厚さが薄めで、外側の模様が中から透けて見えるくらい。
お味噌汁や酒蒸しで食べたりしますね。
西表島のアサリ
一方、西表島で採ってきた「アサリ」がこちらです。
まず見た目が明らかに、本州のアサリと異なります。
貝殻の色合いが明るい!黄色や緑色の模様も見られますね!
そして模様や色合いが似ているようで似ていないので、「どれも同じ貝なのかな?」と疑問が湧いてきたのではないでしょうか。
それもそのはず!
西表島で「アサリ」と呼んでいる貝は、二枚貝全般のこと。
正式にはアサリではなく、「アラスジケマンガイ」や「ヒメイナミガイ」、「ヤエヤマスダレ」などなど別の種類なんです。
◆アラスジケマンガイ
分類 | 二枚貝綱 … ホソスジイナミガイ属 |
分布 | 奄美大島以南、インド洋 |
生息地 | 海水生 |
サイズ | 4~5cm |
旬 | 春 |
貝殻に緑や黄色の色合いがある貝が、アラスジケマンガイ。
放射状に入っている筋が通常のケマンガイより強いために、アラスジ(荒筋)ケマンガイという名称になりました。
西表島の二枚貝の中で1番よく見る種類です。
◆ヒメイナミガイ
(※ヒメイナミガイ=右下の二枚貝)
分類 | 二枚貝綱 … ホソスジイナミガイ属 |
分布 | 房総半島以南 |
生息地 | 海水生 |
サイズ | 約3cm |
旬 | 春 |
ペンでひっかいたような柄の二枚貝が、ヒメイナミガイ。
こちらの貝は、沖縄だけでなく、本州でも房総半島より南で見られますが、「アサリ」と分類するのは沖縄だけみたいです。
◆ヤエヤマスダレ
今日も貝殻作業中・お味噌汁の具・美味シーサー
— kaiyami/urumayami (@ShoujiTsuzuki) January 19, 2016
スダレハマグリ・ヤエヤマスダレ pic.twitter.com/4ZOfAaTJAN
分類 | 二枚貝綱 … スダレハマグリ属 |
分布 | 奄美諸島以南 |
生息地 | 海水生 |
サイズ | 約4cm |
旬 | (情報なし) |
ヤエヤマスダレの特徴は2つ。
膨らみが強いのと、縦の筋よりも同心円状の筋が目立つ貝です。
ここに挙げた以外も含めて、沖縄では二枚貝全体が「アサリ」と呼ばれています。
そして、私たちが気づいた西表島のアサリの大きな特徴が1つ。
それは、「貝殻が分厚くて、めちゃくちゃ重い」ということです!
本州のアサリの何倍もの重量感があります。
貝を1つ、お皿から少し持ち上げて落とすだけで、お皿にヒビが入ってしまうのでは?!と思ったほどでした!
西表島で貝を食べたい!アサリを使った料理メニュー
では、お待たせしました。
西表島の「アサリ」は食べれるのかどうか?
答えは、、、食べられます!
ということで、本州のアサリを食べるのと同じように、西表島のアサリで代表的な2品を作ってみました。
ちなみに、今回の「アサリ」は、ほぼアラスジケマンガイでした。
アサリの酒蒸し
貝殻ばかりのように見えますか?
私たちも初めて食べたときに驚いたのですが、西表島のアサリは、貝殻がめちゃくちゃ重い割に、中身はちょこっと。
あまり食べ応えがないのです。笑
とはいえ、味はやっぱりアサリ味!
アサリの香りがふんわり広がって、優しい旨みです。
- アサリ
- 鷹の爪
- ネギ
- 泡盛
- アサリを塩水につけて砂抜きする(3日ほど)
- アサリの殻についている泥をブラシで落とす
- フライパンにネギ以外全て投入!
- 蓋をして磯の香りがするまで蒸し焼き
- お皿に盛って刻んだネギをかければ、出来上がり!
調理自体はすごく簡単ですよ。
▼使った石垣島産の泡盛はこちら▼
ボンゴレ・ビアンコ
最もベーシック、シンプルなボンゴレビアンコと、
沖縄の島野菜、オオタニワタリを入れたボンゴレビアンコの2パターンで。
ボンゴレ・ビアンコとは、二枚貝を使ったパスタメニュー、イタリア料理のことです。
こちらも貝殻のボリュームが半端ないのですが、優しい磯の香りで想像するより上品な味わい。
本州のアサリと比べると、ちょっと優しすぎるのかも?笑
- アサリ
- ニンニク
- 鷹の爪
- 長命草
- ネギ
- パスタ
- オリーブオイル
- アサリを塩水につけて砂抜きする(3日ほど)
- アサリの殻についている泥をブラシで落とす
- オリーブオイルとニンニクをフライパンに入れ、香りが移るまでじっくり弱火
- ③に鷹の爪を入れて、辛みを移す
- ④にアサリ、長命草、泡盛を入れて強火にして蓋をする
- パスタを茹で始める
- ⑤から磯の香りがしてきたら弱火にする
- ⑦のフライパンをゆすってソースを乳化
- ⑧に茹でたパスタを投入して、ソースを吸わせる
- 塩加減を調整して、刻みネギをかけたら完成!
2パターン目のは、アク抜き済みのオオタニワタリをパスタと同時にソースに入れて絡めて作りました。
\オオタニワタリは、実は絶滅危惧種の野菜です/
おいしいけど殻の重量感が半端ない!西表島のアサリ
今回は、西表島のアサリ事情をお伝えしました。
「アサリ」といっても本州のアサリとは全く異なる種類の二枚貝。
これらをアサリと呼ぶのも、面白いですね。
採るのに手間がかかるので、なかなかお店で見かけませんが、もし見かけた場合にはチェックしてみていただけたらと思います。
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