こんにちは、夫婦で西表島に移住したよせーです。
突然ですが、「ちんびん」と「ポーポー」ってご存じですか?
「ちんびん」を「ポーポー」と呼んだりもしていて、むしろどちらも「ポーポー」で通じる「ちんびん」と「ポーポー」。
(…書きながら既によく分からなくなってきそう。。。笑)
2つとも、沖縄の伝統的な料理です。
今回は、
ちんびんとポーポーの違い
ちんびんとポーポーの作り方レシピ
ちんびんミックス粉を使ったアレンジレシピ
についてご紹介します。
ちんびんとポーポー、違いは?
「ちんびん」と「ポーポー」は、どちらも小麦粉ベースの薄い生地をくるくると巻いて作る細長い料理です。
それぞれどんなお料理なのか?
西表島に引っ越してきてから少し経ったある日、地元の方に「ポーポーあげる」と言われていただいたのが、こちらの、、、
「ちんびん」でした!
ややこしいですよね!?
西表島では「ポーポー」と呼ぶ人のほうが多いこちらの茶色く巻かれた食べ物は、正式には「ちんびん」というお菓子です。
ちんびんとは
ちんびんは”煎餅”と書かれる沖縄県(琉球)の伝統的なお菓子。
小麦粉に黒糖を溶かし入れ、フライパンなどで薄く焼いた生地をくるくると巻いて作る沖縄風黒糖クレープが「ちんびん」です。
中国から伝わったこのお菓子。
沖縄では旧暦の5月4日(ユッカヌヒー)に、子どもの健やかな成長や無病息災を祈って神仏にお供えするために作られています。
標準語に直すと「よっかのひ」の意味で、旧暦の5月4日のこと。
現在は沖縄各地で豊漁祈願や海上の安全を祈願するハーリーが催されていますが、戦前の沖縄では、子どもの成長や健康を願ってオモチャを買ってあげる「子どもの日」の風習があったということです。
ちんびんの食感は、ちょっと厚みがあってもっちりしたクレープ生地という感じ。
黒糖のやさしい甘みが口の中にふんわり広がる、ほっこり素朴なおいしさがクセになります。
小腹が空いたときにちょうどよくおいしいんですよね~!
ポーポーとは
ポーポーも中国起源で旧暦5月4日に食べる伝統料理ですが、ちんびんとは以下の違いがあります。
- 小麦粉に黒糖を混ぜない
- 中に油味噌(アンダンスー)を包んで巻いている
ちんびんは黒糖入り、ポーポーは黒糖なしで油味噌入りという違いですね!
ポーポーに入っている油味噌は、豚の脂・味噌・砂糖が原料。
家庭で作れて保存がよく効くので、暑い沖縄で昔から重宝されてきた食べるお味噌です。
シンプルな小麦粉の生地に、油味噌のコクが絶妙にマッチ!
お菓子っぽくないので、朝食や軽食としてよさそうです。
とはいえ、「ちんびん」と「ポーポー」は2つとも生地を薄く焼いて巻いたものなので、非常によく似ています。
見た目で簡単に分かる違いは色!
黒糖で茶色なのが「ちんびん」、黒糖が入っていなくて白いままなのが「ポーポー」です。
でも、ちんびんはポーポーとも呼びます
茶色が「ちんびん」、白色が「ポーポー」とお伝えしたところ、早速合わない事例が出てきてすみません。。
由来は分かっていませんが、茶色の「ちんびん」は地域などによって、「ポーポー」とか「黒糖ポーポー」とも呼ばれているんです。
例えば西表島では、油味噌入りのポーポーはあまり食べられていない模様。
(沖縄本島の食べ物では?という認識もあるくらい。)
なので、「ポーポー」といえば昔から黒糖入りの甘いほうを指してきたそうです。
個人的には「ちんびん」より「ポーポー」のほうが言いやすくて好きかも。笑
地域によって呼び名は変わっても、どちらも子どもから大人まで多くの人に愛されてきた沖縄伝統料理だと分かりました。
ちんびんとポーポー、作り方レシピ
沖縄の人たちに長く愛され親しまれてきたちんびんとポーポー。
ともに家庭料理で、簡単に作れます。
一般的な定義通り、黒糖入りをちんびん、黒糖なしの油味噌入りをポーポーと呼ぶことにしますね。
ちんびんのレシピ
まずは黒糖入りの素朴な甘みがおいしい、ちんびんの作り方レシピです。
- 薄力粉:1カップ
- ベーキングパウダー:小さじ1
- 黒糖:大さじ3
- 水:1カップ
※上記の分量は、実際は各家庭で少しずつ違います。
他に強力粉を少し混ぜたり、卵を加える方もいるようです。
材料がシンプルですが、配分によって各家庭それぞれの"おうちの味"になってるんですね。
- 小鍋に水と黒糖を入れて黒糖を煮溶かし、粗熱を取る
- 薄力粉とベーキングパウダーをボウルにふるい入れる
- ②に①を入れて混ぜる
- フライパンを熱して油を薄く引き、③を流し入れて薄めに広げる
- 表面にプツプツと穴が出てきたら裏返して焼く
- 焼けた生地を取り出し、熱いうちにクルクルと巻いて筒状にする
- 出来上がり!
作り方からしても、まさしく黒糖クレープ!
ただちんびんの生地は、クレープより厚めパンケーキより薄めくらいがベストです。
舌ざわりにこだわる場合は、黒糖をこして入れるとより滑らかな生地に仕上がります。
さらに簡単に作るには、「ちんびんミックス」というホットケーキミックス粉のちんびんバージョンを使います。
水と混ぜて焼くだけなので、超お手軽です。
簡単なので、お子さんと一緒に作って楽しむのもよさそうですね。
ポーポーのレシピ
次に、黒糖なし・油味噌いりのポーポーレシピがこちらです。
- 薄力粉:1カップ
- ベーキングパウダー:小さじ1/2
- 水:1カップ
- 油味噌:お好みの分量
油味噌の味わいが各家庭で違ってくるので、ポーポーも作る人によって味が異なります。
もちろん、手作りではなく買ってきた油味噌でも作れますよ。
- 薄力粉とベーキングパウダーをボウルにふるい入れる
- ①に水を入れてよく混ぜる
- フライパンを熱して油を薄く引き、②を流し入れて薄めに広げる
- 表面にプツプツと穴が出てきたら裏返して焼く
- 焼けた生地を取り出し、手前に油味噌を棒状に塗ってクルクル巻き筒状にする
- 出来上がり!
ちんびんと比べると、少し生地を薄めに作るとベスト。
油味噌を多く入れすぎると、味が濃くなってしまう点に注意です。
また、甘みがない生地なので、細かく刻んだネギなどを混ぜ込んでもおいしく食べられそうですね。
ちんびんミックスのアレンジレシピは?
先ほど水と混ぜて焼くだけでちんびんを作れる「ちんびんミックス」をご紹介しました。
このちんびんミックス、調べてみるとちんびん以外にも黒糖味のお菓子を簡単に作れるとのこと!
ちんびんミックスのアレンジメニューには、こんなものがありました。
◆フルーツやアイス、チョコなどをかけておしゃれに
ちんびんミックスで作ったクレープ生地を、フルーツやアイスクリーム、チョコレートと合わせる食べ方です。
生地を筒状に巻かずに折りたたむと、ちょっとおしゃれ度アップな感じですね。
シナモンとかも合いそう!
◆ちんびんクッキー
- ちんびんミックス:70g
- サラダ油:大さじ2
- 小麦粉:少量
- ボウルにちんびんミックスと油を入れて混ぜる
- まとまったら生地を丸い棒状にする
- 小麦粉をしいたまな板の上で5~8mm幅に切る
- クッキングシートをしいた天板に並べ、170~180℃のオーブンで15~20分ほど焼く
生地がほろほろと崩れやすいので、型抜きクッキーではなく、カットして作るクッキー。
卵やバターを加えて作ると、より本格的な黒糖クッキーにアレンジできます。
ゴマとか入れてもおいしそうですね!
◆ちんびんマフィン
- ちんびんミックス:1/2袋
- 卵:1個
- 牛乳:大さじ2
- 砂糖:大さじ2
- 無塩バター:35g
- バターを常温に戻しておく
- ボウルに①を入れてよく練る
- ②に砂糖を入れてよく混ぜる
- ③に溶いた卵を数回に分けて入れ、よく混ぜ合わせる
- ④にちんびんミックスと牛乳を入れて混ぜる
- カップに半分くらいまで入れていく
- 天板に並べ、170~180℃に予熱したオーブンで20分ほど焼く
いかにもおいしそうなマフィン。
牛乳の代わりに、豆乳で作っても身体によさそうでいいですね!
ホットケーキミックスの黒糖味という感じで、ちんびんミックスもいろいろと活用できると分かりました。
削ったり溶かしたり不要なので、黒糖のかたまりから作るより断然ラクチンですね!
\黒糖味のお菓子作りが簡単/
おうちで簡単!ちんびんとポーポー、試してみては
こちらは何という名前だったか、もうお分かりですね?
答えは「ちんびん」であり、「黒糖ポーポー」でも「ポーポー」でもありました。笑
素朴でやさしいおいしさの沖縄の伝統菓子。
簡単に作れるので、おうち時間に楽しむお菓子として試してみてはいかがでしょうか。
もし「作るのは無理だけど、八重山旅行に来たら食べてみたい!」という方には、石垣港離島ターミナルのお店で販売している場合があるので探してみて下さいね。
▼ちなみに、上の写真の巻いてる葉っぱは月桃です▼