西表島ぐらし

新盛家住宅、沖縄有形文化財の茅葺き作業を実体験!現存最古の民家が新装オープン

沖縄県の指定有形文化財、「新盛家住宅」をご存知でしょうか?

新盛家住宅は、築150年以上の歴史を誇る、沖縄県内に現存する最古の木造茅葺き民家

沖縄西表島にひそかに残る貴重な歴史的建造物です。

沖縄県の指定文化財ながら、新盛家住宅が立地する西表島の祖納集落が大切に維持し守っています。

前回2012年の茅葺きから7年経った2019年、経年劣化が激しいために、茅の葺き替え作業が行われることになりました。

集落住民総動員の葺き替え作業

私たちも参加した作業の様子をお届けします。

準備から実際の葺き替えまで、地域の皆さんかなり大変な作業を行われました!すごいです…。

新盛家住宅ってどんなところ?

新盛家住宅は、沖縄西表島の奥のほう、祖納(そない)という集落にある県内最古の木造茅葺き民家です。

平成6年に沖縄県の有形文化財に指定されました。

指定の種類沖縄県指定有形文化財 建造物
指定年月日平成6年3月31日
構造木構造平屋建て茅葺き
敷地面積667.7m2
建物面積76.82m2

建築方法は、釘や金具を一切使わない「貫屋(ヌキヤー)造り」と呼ばれる伝統的な工法。

家屋は下記のように、すべて西表島産のものを使って作られているという特徴があります。

  • 柱や梁:キャンギ(イヌマキ)、フクギなど
  • 屋根:茅
  • 茅を乗せる部分:プシキ(オヒルギ)など
  • 石垣:テーブルサンゴ

    など

沖縄の伝統的家屋といえば、赤瓦の家が有名ですが、古く西表島ではこんな風な茅葺きやトタン屋根のお家が一般的でした。

茅葺きの家が、百何十年もの間台風に耐えてきたとはすごいですよね!

先人の知恵が詰まっているんだなぁと感慨深く思います。

6~10年に1度!新盛家住宅の茅葺き替え作業とは

屋根の材料が茅なので、どうしても年月が経つ中で雨風で劣化してしまいます。

茅の質や茅葺き時の天候によって、早ければ6年、長くても10年のスパンで取り換えが必要になる茅葺き屋根。

その歴史的背景や伝統的工法を後世に伝承していくために、茅葺きが必要になるタイミングで、集落の住民を集めて勉強会が行われます。

新盛家学級の内容

①基礎(事前学習)

  • 先人の知恵を学ぶ
  • シマの家造りの歴史を学ぶ
  • 茅葺き家屋の構造や建築材料を学ぶ など

②専門(資材調達と管理)

  • キブク
  • プシギ
  • ユチリ
  • クーチ など

③専門(実際の茅葺き技術など)

単に屋根を取り換える作業ではなく、歴史や文化、意義、先人の知恵を座学なども通じて伝承されています。

到底1日ですべて終わるというような勉強会・作業ではありません。

そもそも、茅をどこからどれだけ確保していくかという計画から考えると、2~3年前からのプロジェクト

下記のような材料調達も全て、集落の皆さんが力を合わせてされました。

  • 茅を刈って運ぶ
  • 木や蔓を山で刈って運ぶ
  • 縄を編む  など

茅は鳩間島からも刈って運んでこられたそうです!

実際の茅葺き作業だけでなく、材料の準備調達、歴史の学習、茅葺き方法の伝達など、1つの大きな行事として執り行われました。

実録!新盛家の茅葺き替え作業は住民総出のムラングトゥ(集落作業)

新盛家

では、実際の葺き替え作業について、詳しくご紹介していきます。

当初、3日間を予定されていましたが、最終的にはもう1日追加の4日間まるまるかかって葺き替えされました。

作業開始の前日夜

新盛家住宅の敷地内で、翌日から始まる茅葺き作業をどのように行うのか、レクチャーがありました。(勉強会のうちの1つです。)

茅葺き替え開始!

西表島島内や鳩間島で刈って管理していた茅を、新盛家住宅の敷地に運び入れ。

茅葺きに適したサイズにくくっていきつつ、全て入りきらないので、屋根を葺きながらどんどん追加していきます。

これから1段目を葺いていくところ。

細い竹がたくさん編んで取り付けられています。

茅葺き屋根の土台はこんな風になっているんですね!

茅の葺き方がこちら!

茅の束を細くて丈夫な枝で押さえて、縄で屋根の木と縛りつけていきます。

茅葺きは基本、この繰り返し。

屋根の上の人と下の人が組になって、かけ声をかけながら茅に縄を出し入れ。

こんな風に、ひとつひとつ木に縛りつけていきます。

最初は縄の出す場所がうまく合わなかったり、なかなか苦労しました!

1段目が葺き終わったところ。

新盛家

茅に埋もれながら、あきひこも真剣に取り組みました。

3段目?が葺き終わったころ。

ものすごく大量の茅が必要で本当に大変!

昔の方はトラックもなく、大量の茅を準備されていたと考えると、、ただただスゴイです。。

あと少し進んでから、残りの屋根の高い部分はラストスパートの4日目。

新盛家

屋根の一番上まで、きれいに葺き替え完了しました。

葺き終わったら整えて、完成です!

新盛家

茅葺きが完了したら、軒下の茅を切って整えます。

その後、建屋内をきれいに掃除して畳を敷き直し、、、

完成です!!

準備から考えるとかなりの長期間。本当にお疲れさまでした!

完成のお祝い!ヤータカビー(落成式)

新盛家住宅の茅葺き作業完了をお祝いして、ヤータカビーと呼ばれる落成式が執り行われます。

きれいに完成した新盛家住宅に、集落の方々はもちろん、隣の干立集落から手伝われていた方々、教育委員会の方など多くの人が集いました。

伝統的なお祝いの唄がうたわれ、飲めや歌えやの盛大なお祝い!

本当に地域の皆さんが大切にされている文化財なんだなぁと感じました。

新盛家住宅へのアクセス

祝新装!

地域の皆さんが想いを込めて葺き替え、きれいになった新盛家住宅をぜひ見に来てくださいね。

名称新盛家住宅(しんもりけじゅうたく)
住所竹富町字西表603
駐車場なし
見学料金なし

見学は自由なので、いつでも見に来てもらってOKです。

ただし、駐車場がありません

周りは住宅に囲まれた狭い路地なので、出来る限り海辺沿いなどに車を停めて歩いて見に来ていただけたら嬉しいです。

集落内に溶け込んで存在感を放つ、有形文化財。西表島の伝統に思いをはせてみていただければと思います。

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